
資本金制度の撤廃
会社法のもとでは資本金の額に制限がなく、1円を資本金として会社を設立することができます。ただ、対外的な信用という意味では会社の資本金が大きい方が良い面があります。
取締役の員数制限の撤廃
旧法時代の有限会社のような役割の会社として取締役1人からの株式会社を設立することができます。
機関設計の柔軟化
会社法のもとでは設立する会社に最も適した機関設計をすることができます。主に@取締役会非設置型機関設計(株主総会・取締役)又はA取締役会設置型機関設計(株主総会・取締役会・監査役)が用いられます。株主=経営者の場合@を、そうでない場合はAを選択することが一般的です。
有限会社の廃止
現在、有限会社は設立することができません。以前の有限会社は特例有限会社という名の株式会社に生まれ変わりました。
定款自治の拡大
会社法のもとで定款自治が広く認められるようになったことで個々のスタイル、状況に応じた会社の形を定款に表現することが可能になりました。株主の権利配分を変更すること、ある株式の議決権を制限すること、相続人に対する株式売渡請求規定など、その他会社のルールは定款に定めることにより効力を生じます。

特例有限会社
会社法施行以前の旧商法時代の有限会社は特例有限会社という名の株式会社として従前の有限会社の規律を維持しながら経営を続けていくことができます。現在、新規に有限会社を設立することはできません。
合同会社
合同会社は、出資者全員が有限責任であり、かつ意思決定・利益分配方法を自由に定めることが出来る唯一の会社形態です。株式会社では、原則出資した額により議決権をもち利益を受けることになる為、出資=会社の意思決定権・利益分配割合となりますが、合同会社の場合出資の額にかかわらず議決権・利益分配割合を自由に定めることが出来ます。つまり合同会社では「人」自体が会社の出資の役割をしています。また、設立手続も株式会社に比べ容易で登録免許税は60,000円(株式会社150,000円)です。
設立手続の流れ
@ 定款作成 → A 出資の払込 → B 登記 (設立完了)
有限責任事業組合(LLP)
LLPは、合同会社同様、組合員全員が有限責任であり、組織運営や利益配分は出資の割合に限らず自由に設定できます。また法人ではないためLLPが利益を出しても法人課税は行われず、組合員に利益分配した場合に組合員に直接課税されます(構成員課税 パススルー課税)。その他の特徴として制限はありますがLLPの損失を出資者の利益と相殺できる可能性があります。デメリットとして、組合形態の為、会社形態の株式会社への組織変更はできないことやLLPの組合員は利益分配は受けることができても報酬を受け取ることはできません。主に法人や個人が連携して行う共同体としての活用を前提とした形態です。また、設立手続は合同会社と同様、株式会社に比べ容易で登録免許税は60,000円です。
設立手続の流れ
@ 組合契約書作成 → A 出資の払込 → B 登記 (設立完了)
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